レシピ本とは何者であるのか

いうまでもなく料理とは化学です。
食品それぞれに含まれる化学物質を、我々人間の味覚にそぐう形に反応させることで料理というものは成り立っています。
そういった見方に従うならば、料理のレシピとはすなわち「処方」であるといえるでしょう。
それを伝えてくれるのがレシピ本です。
「医食同源」という言葉が示すように、じつは食品と薬品の間にはそれほど明確な差異があるわけではありません。
どちらの摂取も異物を体内に取り込む行為であることからもそれは明白でしょう。
それら異物は摂取によって体内に取り込まれ、やがて排泄されます。
しかし、それはただ通過してゆくだけではありません。
体に取り込まれ、その一部として機能し、やがて役目を終えて捨てられるのです。
その「役目」が人体に有害であった場合それは、「毒」と呼ばれるわけです。
毒か薬か食品か、摂取したマテリアルが何者であるかを決定する大きな要因がそのレシピです。
レシピ本の内容とは、先人が自らの体験を通して見出した食品が食品たりうる処方のことなのです。